6月の片恋

2005年7月25日 連載
かろうじてその言葉は聞き取れた。

避難訓練ねぇ・・

を!?

ってことは会えるチャンス?

って何考えてんのあたし・・・

本当おかしい。

そんなこと考えてるうちに、

お決まりのサイレンが流れ出して、「すぐに校庭に非難」

とかいうのに仕方なくしたがって、校庭に出た。

6月の日差しは結構強くて、

「太陽なんて嫌いだ。」

って一言つぶやいた。

「なんで?」

振り向くとまたあいつがいた。

「だって・・やけるじゃん。」

顔が赤くなるのを感じた。

なにしてんの・・自分・・

ばれないように隠すのが必死だった。

「俺は好きだけどなあ・・」

って言ったのを聞いて、何を想像したんだかあたし、

もっともっと顔、赤くなった気がした。

あいつが好きって言ってるのは間違いなく太陽なんだよ?笑

開き直って、あいつの目を見た。

「気、あわないんかな?笑」

「そんなことないんじゃない?」

即答してくれたことが素直にうれしかった。

 
 
やっぱりあたし・・あいつのこと、好きなんだ。

確信。

絵里子に言わなきゃ。
 
 
 
 
 
この暑い日差しの中行われた避難訓練後の副校長の長ーいお話。

あたしはそんなのそっちのけで、左斜め後ろを横目で見ようと必死だった。

2年生がいる方向を。

 
 
はなしがやっと終わった。

「3年生から教室に戻りなさい。」

その言葉を聞いたあたしはすかさず立ち上がり、

2年生の・・・あいつのほうを向いた。

そして、手を振った。

またしても‘きょとん’とした顔をしながらも、

すぐに手を振るあいつ。

やばいな。完全に・・・
 
 
 
 
 
 
 
惚れた。

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