6月の片恋

2005年10月15日 連載
でも、人生とはうまくいかないもので、

好きだと確信したとたんから、あいつに会う機会がグッと減った。

そうそう、あいつのことを絵里子にはなしたら

びっくりしてたけど、喜んでいたし、別に変だとか言わなかった。

偏見があったのは結局あたしだけで、

ほかの友達に話したら、むしろ、うらやましがられたほどだった。

”年下”という響きがいいのだそう。

あたしは別にそれ目当てで好きになったわけではないのだけど・・・汗

でもやっぱり、歳の差は気になる。

たかが1歳差、されど1歳差。

あたしたち3年生の教室は2階にあって、

あいつのいる2年生の教室は3階。

この、少しの”差”が、今のあたしにとってはものすごく苦しい。

授業なんかまったく耳に入らなくて、受験生という立場なんてまったく忘れていた。


季節はもう、夏本番になっていた。

期末テストも、気づいたら終わっていて、散々な結果だった。

・・・・・・・・・・まあ、2学期頑張ればいいや。

とか思っていた。

後もう少しで、部活も引退する。

だから、勉強も恋も、ひとまず休憩しよう。

そうおもったあたしは

廊下ですれ違ったあいつに手を振らないようにした。

それが凶と出たのか、吉と出たのか、

未だにわからないけど、

2つのことはいっぺんにできないのだと思ったあたしは、

あいつへの感情を断ち切ろうとしていた。

それはやっぱり、心のどこかで、”年下”という偏見を持っていたからだと思う。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索